『場作り人はどこへ向かうのか』 仙台・PANGAEAの場合(後編)

東北に拠点をかまえ、アート・スペースの運営やイベントのオーガナイズなど、交流の「場」を作る方々に、いまの東北のカルチャー事情を語ってもらうコーナー、『場作り人はどこへ向かうのか』。第一弾となる今回は、仙台の超五感café & gallery PANGAEAのオーナー・畑中さんに訊いた。

前編はこちら

 

 ネパールへの想い 太陽と温和と欲望 隙のカタチ

「ネパールへの想い」MIYA     「太陽と温和と欲望」HIRO-A    「隙のカタチ」Ait one
(2009年9月~11月のPANGAEAのフライヤー表紙絵)

 

_PANGAEAは音楽とか美術を「生活」にしみこませるような、ライフスタイルを提案しているような気がして。

そう感じて、来てもらえれば(笑)。そういう風に考えてる人が集まれる場所を作りたいというのもあるし、もっと多くの人にも知ってほしいという想いがあってやってます。

いやー、実際大変ですよね。輪はちょっとは大きくなったと思いますけど、「大きくなってます」とは言えない。輪が大きくなってるというよりも、小さい輪が集まってるとは思う。そこがクロスしてないのと、1コ単位、どうしてもイベント単位なんですよ。そこは難しいですよね。

 

_ジャンル分けでイメージしやすい場とはまた違う、なんだか分からないんだけどあそこに行ったら「何か」があると感じさせる場所って魅力的だと思います。

そういうのが本当は一番いい。理想ですよね。だけど、そう思う人は少ないのかもしれませんね。何があるか分からないから面白いんじゃなくて、誰かがいるから面白い、知り合いがいるから行くっていうほうが強い。未知のものを期待して行くっていう感じはあまりしなくて。一番マニアックじゃないイベントのほうが、たぶん人は入ってますよ(笑)。

 

_畑中さんから見て、仙台はどんな街ですか?

うーん、住みやすい街なんじゃないですか。江戸時代から安定している街だと思うんですよ。青森とか秋田みたいに大変な街ではないと思いますよ。でも僕は、楽に育った人がすごくなるとは思わない。大変な街で育ったり、貧乏した人が偉人になってることって多いじゃないですか。楽だからこそ、現状維持でいいので、保守的な部分が強いとは思いますよ。青森とかだと、景気のいい時期でも出稼ぎに行くように、地元に仕事もないし残れなかったりとか、生活もずっと大変じゃないですか。でも、たまにすごい偉人が出てくる。それは独自の文化があるからだと思うんです。仙台は、その「独自の文化」が弱いかもしれませんね。無くともなんとなく生活できるから、そこまで自分の個性を発揮しなくても成り立つという。よっぽど好きか、適度な反骨精神。そのどちらかがないとやり続けれないかな。

すごい才能ある人はいっぱいいると思うんですけどね。アート以外でも、職人さんとか、東京じゃ出会えない人に会えた。いい職人さんがいっぱいいるんですよ。そっちのほうにすごいびっくりしました。廃材で物を作ってる人にウチで展示してもらったり、部品作ってもらったりはありますけど、そういう人たちを紹介したいなとは思いますね。ネットじゃ探せない人はいっぱいいますよ。ネットで出せてる人は少ない。

 

_情報発信のスピードと手段に違いがある……。

あと意識の時間差が、中央と地方ではあるからね。たとえば、東京ではもう終わっていいんじゃないかってことが、それから5年くらい経たないと地方まで浸透しないと思うんです。縮まったとはいえ、まだあると思うんですよ。何でも、アンテナ張ってる人とか感覚が早い人とかが面白いなと思ってから何年後かに広まるじゃないですか。東京の人はいま地方が面白いっていいますけど、まだそこのギャップはあると思いますよ。僕もやっぱ地方が面白いなと思うけど、住んでる人はなかなかそうは思わないじゃないですか。

 

_そこにはジレンマがありますよね。

うちの親に「温泉とか山が面白いから行かないか?」と言っても、「いらない」って言われる。それよりもディズニーランドに行きたいとか、都会を見たいとかって。やっぱり田舎に住んでる人は無いものねだりで都会を見たいし、都会に飽きた人は自然を見たい。ある程度行きつくしたり、体験し終わって折り返ししないと、地方とか小規模のほうに行かないのかもしれないですよね。

 

_こういうのって、何十年も前から同じことなのかなって思っちゃいます。

(笑)結局。そう思いつつも、その時々の世代がいなくなっちゃいますから。まぁ、そう言ってもいられないので、やってますけどね。

 

前編はこちら

テキスト 富樫勲

 

超五感café & gallery PANGAEA
あなたの五感を楽しませ、第六感まで刺激しちゃうパンゲアは、現在の諸大陸が分裂する前に1つであったときの超大陸の呼び名だそうです。音楽、映像、絵画、アート、演劇、グラフィティ、パフォーマンス、トーク、写真、詩、建築、エコ、リサイクル、ファッション、文学、実験、ワークショップ、アロマ、食、ヒーリング、スピリチャルなど、いろいろなイベントが盛り沢山の五感ギャラリーです。

宮城県仙台市青葉区一番町1-11-20 SUGA-DUNビル4階
tel. 022-395-6198
info@pangaea-sendai.com
www.pangaea-sendai.com

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