「いま、バリアとはなにか」 せんだいメディアテーク開館10周年事業
情報技術の進展によって、私たちは時間差のない通信手段を獲得する一方、その技術に身体を適応させられています。合理主義的に進められるコミュニケーションのなかで、私たちは、内省的な深い考察が生み出す時間的な間や表現上の質感を発揮できなくなっているのではないでしょうか。そして、平滑で無機質に整形された情報は、グローバル化された消費社会の価値観とともに、個人や文化の固有性すら消失させるかのような振る舞いをみせています。現に身体の差異や存在性は、情報技術とは関係なくあるにも拘らず、それがもたらした世界観では、不都合なバリアは解消されてしまったかのようです。2000年以後のこのような状況のなかで、10周年を迎えるせんだいメディアテークでは、情報化とグローバル化の中におけるさまざまなバリア(身体、言語、性差、民族、空間など)をめぐるリアリティを、次代を切り開くための表現として展開していきます。
参加作家
小山田徹/KOYAMADA Toru
1961年鹿児島生まれ。京都市立芸術大学准教授。1984年京都市立芸術大学日本画科在学中に友人たちとパフォーマンスグループ「ダムタイプ」を結成、ダムタイプの活動と並行して90年から、「ウィークエンドカフェ」「コモンカフェ」「祈る人屋台」「カラス板屋」などさまざまな共有空間の開発を行っている。
藤井光/FUJII Hikaru
1976年東京生まれ。パリ第8大学美学・芸術第三博士課程 DEA卒。1995年渡仏。美術館、路上、インターネット、裁判所、スクウォットなどの現場で映像メディアの可能性を模索しながら現代日本の社会政治状況を直截的に表現する。また「文房具としてのメディア」をコンセプトに映像制作ワークショップを通し映像メディアの民主化に努めている。
北川貴好/KITAGAWA Takayoshi
1974年大阪生まれ。1999年武蔵野美術大学建築学科卒業。1995年から環境や建物自体に手を加え空間そのものを新しい風景へと変換する作品を制作している。2000年、2002年、2006年取手アートプロジェクト、2008年黄金町バザール、2009年水と土の芸術祭、2010年愛知トリエンナーレなどに参加。
吉島庭園プロジェクト 2007年
港千尋/MINATO Chihiro
1960年生まれ。多摩美術大学美術学部教授。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、パリを拠点に「群衆」「移動」などをテーマに写真家・写真評論家として活動。『記憶―「創造」と「想起」の力』(講談社)で1997年サントリー学芸賞受賞。2006年第31回伊奈信男賞受賞。2007年ヴェネチア・ビエンナーレ日本館コミッショナー。近著『書物の変―グーグルベルグの時代』(せりか書房)
栞プロジェクト
石橋素/ISHIBASHI Motoi
1975年生まれ。東京工業大学制御システム工学科卒業。IAMAS卒業。テクノロジーを駆使した新しい遊びとプロトコルをテーマにインターフェイスデザインやデバイスの設計開発を行う。2006年、株式会社DGNを設立し、ファッションブランドの店舗や科学館等における展示システムの企画・制作も行う。ハッカーズスペース“4nchor5la6”(アンカーズラボ)ディレクター。
真鍋大度/MANABE Daito
1976年生まれ。東京理科大学卒業。IAMAS卒業。コンピュータープログラミングによる音響・照明・映像のデザインと動作制御で、音楽家、演出家、ダンサーなどとのコラボレーションを数多く行う。近年、顔面を音楽のヴィジュアライザーとして扱ったYoutubeの実験映像がギーク系ブログで話題になり1ヶ月足らずで100万ビューを達成。ハッカーズスペース“4nchor5la6”(アンカーズラボ)共同主宰。
三輪眞弘/MIWA Masahiro
1958年東京生まれ。作曲家。情報科学芸術大学院大学(IAMAS)教授。1978年渡独。国立ベルリン芸術大学、国立ロベルト・シューマン音楽大学で学ぶ。近年は、2004年「村松ギヤ・エンジンによるボレロ」で芥川作曲賞、2007年「逆シミュレーション音楽」がプリ・アルスエレクトロニカ、デジタル・ミュージック部門でグランプリなど受賞多数。コンピュータ歌唱ユニット「フォルマント兄弟」の兄。
佐近田展康/SAKONDA Nobuyasu
1961年神戸生まれ。音楽家、サウンド・メディアアーティスト、メディア理論研究。名古屋学芸大学准教授。独自に開発したリアルタイム合成の声による機械歌唱パフォーマンスや作曲作品を多数発表。他に著書『Maxの教科書』、CD『時計仕掛けのエルメス』などがある。近年はメディアアートの理論的基礎として機械の存在論を研究。コンピュータ歌唱ユニット「フォルマント兄弟」の弟。
光島貴之/MITSUSHIMA Takayuki
1954年京都生まれ。10才ごろ失明。1995年カッティングシートやラインテープを用いた独自のスタイルで「触る絵画」の制作を開始。見えていたころの記憶をたどりながら色を選び、何気ない日常の中から触る世界のおもしろさを表現する。国内外の美術館・ギャラリーでの展覧会や、触覚に注目したワークショップなど多数開催し、近年は音の作家とのコラボレーションも試みている。
2010年10月中旬~12月26日(日)
9:00~22:00(仙台市民図書館はこちら)
会場:せんだいメディアテーク、仙台市民図書館
お問い合わせ:せんだいメディアテーク(tel. 022-713-4483)
office@smt.city.sendai.jp






